2012/12/30

Thank You Hanny!


Hammer Time!”というツイートがTwitter上で溢れ、PNCパークではエントランスビデオが流れる。
195cm、116kgの巨体から投げ込まれる98MPHの速球と高速スライダーが唸りを上げ、3アウトを取った瞬間に花火が上がり海賊旗が掲げられる・・・。

2年と少しの間ですっかりお馴染になったこの光景だけに、Joel Hanrahanがトレードされたことは(分かってはいたものの)Piratesファンにとって辛い別れだ。

クラブハウスやブルペンはリーダー的存在だったし、2012年はChris Resopと共にチャリティーボウリングも主催したり、フィールド外でもPittsburghファンから人気を集めていた。

2009年のシーズン中にNyjer Morgan、Sean BurnettとのトレードでLastings Milledgeと共にNationalsから加入。

Nationals在籍当時のシーズンBABIPは.431。元々高いK/9に加えBB/9も改善されており、チームUZRが優れているPiratesに移籍後は成績も向上。
2010年には69.2IPで100SOを記録し、Octavio Dotel放出に伴いクローザーを任されるようになった。

2011-2012年には2年連続オールスターに選出。2011年にはチームMVP。

Piratesに在籍した4年間では238Gに登板し、10-8、2.59ERA、229.1IP、265SO、98BB、1.199WHIP。82SVはチーム史上5番目の数字だ。

しかし、スモールマーケットのPiratesがクローザーに年俸$7M近く支払う余裕はなく、トレードという形になるのは当然の選択。
結果的に2011年オフが売り時だったが、2年連続のチーム前半戦の快進撃もこの人がゲームを締めてこそのものだっただろう。

来シーズンはAL Eastでの"Hammer Time!"にも注目して野球を見ていきたい。


Thank you, Hammer!!


2012/12/27

Pirates Trade Joel Hanrahan and Brock Holt


クリスマスを挟み、ようやくBostonとのトレードが正式に決まった。

Joel Hanrahanに加えBrock HoltもBostonへ。見返りはMark Melancon, Jerry Sands, Ivan DeJesus Jr, Stormy Pimentelの4人。


当初PiratesはJose IglesiasやFelix Doubrontを交換相手に求めていた今回のトレード話。
先週末のトレード合意の際にはHanrahan+1 for Sands+Pimentel+2とされていたが、Melanconがパッケージに加わったことによりPiratesにとって良いトレードとなったと言えるだろう。

セットアップの1人として期待されるMelancon。
昨シーズン4月の4試合で2IP、10H、5HR、49.50ERAという酷い数字を残してマイナー落ち。
Bobby Valentineの起用法にも不満を持っており、復帰後も信頼を得られなった。
しかし、終盤には球速が上がり9月/10月は10IPで0.90ERA、1BB、13SOと良い形でシーズンを終えた。
AL EastからNL Central、フェンウェイパークからPNCパークと環境の変化も成績に良い影響を与えるだろう。
Hanrahanのように打者を圧倒する球は持っていないが、7回8回を任せるのには充分な人材。


Jerry Sandsは打者有利とはいえPCLで.296/.375/.524、26HR。
間違いなくパワーは評価されているが、Matt Holidayタイプというのはさすがにマイナーレベルでの話。
2011年はメジャー61試合.253/.338/.389、4HRという数字を残したが、上で対応できるかはまだ未知数。
何より今はGaby Sanchez、Garrett Jones、Clint Robinson、Alex Presley、Travis Snider、Jose Tabata、Starling Marteと1B/LF/RFを守る選手がロースターに多い状況。
さらにSandsが加わったことで誰かがトレードされる可能性も高くなった。


Pimentelは2008年Jason Bayのトレード時に要求したものの当時のRed Soxが拒否した経緯がある。
ファストボールは95MPHに達するが動きに欠ける上にコマンド不足。変化球にも課題があり、Single-Aでも圧倒した成績を残していないし、Double-Aでも苦しんでいる。
来年開花するとは考えにくいがブルペンに専念すれば見込みは出てくるかもしれない。

DeJesusはこの中では一番バリューが低く、Triple-Aのデプスか。
プロスペクト時代からディフェンス寄りの選手で長打は無いが、3年間Triple-Aで通算.303のAVGを残している。
BostonからDFAされた後もクレームは無かった。



Piratesから出て行く意外な選手はBrock Holt。
昨シーズンDouble-Aで382打数.322/.389/.432、昇格したTriple-Aでは95打数.432/.476/.537と打ちまくり
9月にメジャーに昇格したコンタクトヒッター。メジャーでは65打数.292/.329/.354。
順調なら.270-.280AVGを期待できる打撃はあるが、ユーティリティー止まりという見方が強い。
どのみち守備走塁の基本的な部分が不足しているので開幕メジャーは無いだろう。
それに打てるかどうかはさておき、HoltよりSandsのバッティングのほうが今のチームには必要だ。

そしてメインピースのHanrahan。
Piratesとしてはクローザーの彼に年俸$7Mを払う余裕がなく、放出は避けられない状況だった。
しかし、9月の不振やFAまであと1年、健康状態の懸念もあってトレードバリューがかなり下がってしまったのが誤算。
Tigersには断られ、DodgersとトレードならChris Capuanoが交換相手とされていた。
本人曰くハムストリングとかかとの怪我がBB増加(BB/9:2011年2.10→2012年5.43)に影響したと語っており、現在の状態は良いと語っている。
間違いなくBostonのブルペンに貢献するだろうが、コントロールとAL移籍が悪い方に出ないことを願っている。


Hanrahanに関しては昨年オフの売り時を逃したのがPiratesの一番のミス。
Porcello、Iglesias、Doubront・・・等、GMのNeal Huntingtonはこの冬強気に出ていたものの、現実は甘くはなかった。

今回の件はどちらが勝者というのは無いが、Pirates側にとってもRed Sox側にとっても良いトレードだと思う。
来年に関してはPiratesはしっかりしたブルペン1枚加えられたし、Red Soxはクローザーを獲得できた。

ただ、Boston側からはHanrahanへの不安やSandsまでつけてしまったことを悔やむ声もある。
トレードバリュー的にHanrahan/Melanconの1-for-1でもおかしくなかった。
27歳、2016年まで保有できるMelanconとパワーバットのSandsに加え、バリューは低いが+2人獲得したという意味ではPiratesはよくやったと思う。


 

2012/12/22

Dee or Jose?

Francisco Liriano獲得によりローテが埋まり、先発投手の補強の可能性が減ったPirates。

Joel Hanrahanのトレード相手としてRick Porcello、Chris Capuano、Flanklin Morales、Jose Acevesなどピッチャーの名前が挙がっていたが、今度はDee GordonかJose Iglesiasを狙っているらしい。


このままいくとペイロールは$70Mを越えるのでHanrahan放出は更に現実味を帯びてきた。

Pirates to Sign Francisco Liriano

Francisco Lirianoと2年/$12.75Mで合意。フィジカルを経ての正式契約はクリスマス後になるだろうとのこと。

2012年はTwinsとWhite Soxで投げ5.34ERA、156.2IP、167SO、87BB、1.468WHIP。
9.59という高いK/9の一方、ERAとBB/9が2年連続5.0越えなのは不安。



左投手有利のPNCパークはプラス。
深い左中間を守るのはStarling MarteとAndrew McCutchenだ。
GB%は年々下がっているが、今年の43.8%という数字を保てればClint BarmesとNeil Walkerの恩恵も受けられるはず。
FIP4.34、xFIP4.14という数字を見ても昨シーズンほど酷くはならないと思う。




インプレーに関してはともかく、Lirianoに関してはやはり制球面。
球数だけ増えてイニングを稼げない、ゲームを作れないとなるとこれは問題。
A.J. Burnettが加入した際も同様にコントロールが不安視されていたが、杞憂に終わった。
Lirianoに関してもピッチングコーチのRay Searageの手腕やBurnett、Wandy Rodriguezが良い影響を与えることを期待したい。


29歳という年齢、ポテンシャルや天井の高さに賭けるのは評価したいし、Liriano獲得自体は悪くないと思う。
ただ、制球面と肩の状態は懸念されるのもあり、今回の契約は『ハイリスク/ハイリターン』。
報じられている$12.75-13Mは少々高いが、今オフの市場を考えると安く済んだほうだ。
(岩隈久志 - 2年/$14M、Joe Blanton - 2年/$15M、 Kevin Correia - 2年/$10M)

Russell Martinのように中途半端な感もあるし、計算しにくい面もあるが、もしLirianoが復活できれば見返りはかなり大きい。


もしコントロールが改善されないようなら、”三振は取れるがコントロールの悪い日は打ち崩される”Erik Bedardの二の舞になるかもしれない。

その時はJeff Locke、Kyle McPherson、Charlie Morton、Gerrit Coleがローテに入ってくることになる。

2012/12/20

It’s Kind of in My Blood Now

Jeff Karstensがラジオに出演

先週のPirateFestでNeal Huntingtonはnon-tenderする前にオファーしたと言っていたが、
Karstens曰くオファーは無かったとのこと。

しかしながら、「いつでもPittsburghに戻ってくる気でいるよ。」と5年間過ごしたPiratesに情が残っていることも語った。
最近無くなったお婆さんはPiratesのユニホームを着て埋葬されたらしい。

特に金銭面での希望は無くまずは状況次第ということなんだが、恐らくJoel Hanrahanのトレードでスターター連れてくるのかどうか待ってる段階か。

2012/12/19

Bell Underwent PRP Injections

2011年ドラフト2巡目指名のJosh Bellが膝の治療のために”PRP”注射を受けたらしい。

Platelet Rich Plasma(多血小板血漿)と英語でも日本語でも素人には分かりにくい用語だが、自分の血小板を使って自然治癒を促進される仕組みだとか。(参考URL

4月の終わりに左膝を痛めそのままシーズンアウト。
今のところ今回の治療によってスプリングトレーニングに復帰が見込めるようだが、あまりに状態が悪いとなるとさらに評価を落としてしまうことになるだろう。

2012/12/15

Q&A at PirateFest

PirateFestでシーズンチケットホルダーとフロント陣とのQ&Aセッションが行われた。

球団社長のFrank Coonellyが2013年のペイロールが$70Mに達する見込みだと発表。
約$61Mだった2012年と比べて$9Mのプラス。更にこれから先は増額していくとのこと。

Hurdleは来季のラインナップについてリードオフは検討中、Clint Barmesが8番、Pedro Alvarezは中軸を担うとコメント。
先日はRussell Martinを2番で使いたいと言ってたが、7番に据えるとしても難しい打線になるのは間違いない。
昨シーズンのように7-8-9番が自動アウト状態になるのは避けたいところ。


チーム編成についてGMのNeal Huntingtonに質問が飛んだ。
Kevin CorreiaとJeff Kastensが抜けた投手陣については、FA市場に目を向けている一方でチーム内の若手に自信を見せているらしい。
Karstensに関しては年俸$4Mと健康状態がネックだったとか。
Gerrit ColeはTriple-Aで開幕を迎えるらしい。

また昨シーズンの失速の裏にあったチームのケミストリーについても言及した。
クラブハウスの人気者だったCasey McGeheeの放出(これはファンから見ても明らか)、
事実ではないらしいがKevin Correiaのトレード要求報道、Travis Snider、Wandy Rodriguez、
Gaby Sanchezがチームに馴染むのに時間が必要だったことを上げた。

同じく人望があるJoel Hanrahanがトレードされた場合の影響も懸念される。
一応「Jason GrilliとHanrahanの2人揃って開幕迎える」と建前で言っているが、
I think our guys realize...that change is part of the game
とのコメントも残している。
ただ、Garrett Jonesについては来年のプランに入っているが、確実ではないらしい。

先日のRoyals-Rays間のトレードを例に出し、”ポケモンカード”のようにプロスペクトを出すことを止めるか、とファンがHuntingtonにぶつけたのがハイライト。
Wandy Rodriguez獲得については彼が来年、再来年を見据えての獲得とし、
「組織やマーケットの大きさなだけに、プロスペクト全員をトレードに出せない。」と語った。

「もし自分たちがそんなことをしたら選手がいなくなってしまう。FAで選手を集められる余裕は無いんだから。」

This is City I Want to Be in

初の調停を控えるNeil Walkerが会見で契約延長について言及。

「今はそれに関して多くを話せないが、長くPiratesの一員でいることを望んでいる。
まだ様子見。自分の状態に気を付けて健康でいたら全てがうまくいくのは分かっている。」と語ったWalker。

ヘルニアの状態については良いらしく、6週間の治療が終わり左右両打席でバッティングも行っているらしい。




Classic Sunday!

PirateFestにて日曜ホームでの新オルタネイトユニホームが発表

photo form wtae.com


photo from neweramlb

ワールドチャンピオンになった1971年のデザインをベースにしたもので、背ネーム入り。
ボタンが無く、かぶるタイプというのも渋くてよろしい。
以前はノースリーブのピンストライプや赤なんかもやっていたが、こっちのほうが断然格好良い。

ユニホームの変更に関してはこれのみ。
2012年シーズンと同じく白ホーム、グレーロード、黒オルタネイトは来年も継続とのこと。

2012/12/14

'13 Prospects / Baseball Prospectus & MinorLeagueBall

John SickelsBaseball Prospectusのプロスペクトランキングが出たので比較。

Baseball Prospectus
John Sickels
1.
RHP
1.
RHP
2.
RHP
2.
RHP
3.
CF
3.
SS/2B
4.
RHP
4.
CF
5.
SS/2B
5.
RHP
6.
OF
6.
OF
7.
C
7.
OF
8.
RHP
8.
RHP
9.
RHP
9.
2B
10.
OF
10.
C



11.
RHP



12.
RHP



13.
RHP



14.
RHP



15.
RHP



16.
LHP



17.
RHP



18.
1B



19.
RHP



20.
2B



21.
C



22.
1B


PolancoとHansonのどちらが上かは評価が分かれる一方、Bellはケガで評価を落とした。
Tony Sanchezは漏れたが、捕手が弱い中2012年ドラフト組のMathisenの評価が高いのは嬉しい所。
”Big2”を筆頭にやはり投手陣は豊富で、Sickelsは「もしJeff Lockeが入るなら10位」としている。
特にMcPherson、Morris、Wilson、Lockeは既にメジャーデビューしており、来シーズンは上に定着すべき存在。
個人的には投手でNick KinghamとClay Holmes、野手ではDilson HerreraとJin-De Jhangの来季の飛躍に期待。



#27 is Still Open


Pirates Caravanのドサクサに紛れて背番号変更が決まったらしい。
#55をつけていたMcKenryはRussell Martinの移籍で#19を選択。

以下主な変更と新加入選手。

Kyle McPherson   #60 → #38
Mryan Morris       #57 → #29
Justin Wilson      #61 → #37
Mihcael McKenry  #55 → #19
Chase d'Arnaud     #3 → #15
Jordy Mercer      #69 → #10


Andrew Oliver    #45
Vin Mazzaro      #32
Zach Stewart    #36
Russell Martin  #55
Clint Robinson   #25



先発市場も動き出し、Roxが狙っているという話も出てきた。
まだ番号は空けてあるが、Jeff Karstensをnon-tenderしてしまったのは後から響くだろう。

2012/12/11

Pirates Re-Sign Jason Grilli

Jason Grilliが2年/$6.75MでPiratesと再契約。
36歳のGrilliにとってはキャリアで最後の契約になるかもしれない。
先週は慌ただしかったが、これで一安心。
「フェアな金額を提示した。」とNeal Huntingtonがウインターミーティング中にコメントを出していたが、当初の$6.5Mでのオファーを増額した形らしい。
Torontoのほうが金額的に大きかったが、それを蹴っての復帰というのも嬉しい話。

2011年にPhilsのマイナーをリリースされた後にPirates入り。膝のケガで全休した2010年以来1年ぶりのメジャー復帰を果たした。
特に2012年はセットアップに固定され、64試合投げ2.91ERA、13.8 K/9、WHIP1.14。
36歳になるGrilliだが、ここ2年でK%、BB%が向上しており、特に昨シーズンのK%は50IP投げた選手ではメジャー全体で4番目

成績の向上はパフォーマンスに裏付けされている。
brooksbaseball.netによると、ファストボールの平均球速は2009年92.95MPH、2011年93.08MPH、2012年94.34MPH。
2010年の膝のケガの以降筋力・体幹を鍛え、更に以前より脚を使ったメカニズムに変えたことが要因らしい。
そして彼の最大武器であるスライダー。
Tigers時代の2005年にJeremy Bondermanから教わったそうで、リリースを調整し以前よりハードに投げるようになったそうだ。

懸念があるのはフライ率が2011年32.9%→2012年44.9%になったこと。
さすがに来年は成績が落ち着いてくるだろうが、投げている球を見る限り年齢による影響は考えにくい。


これでJoel Hanrahanのトレードの可能性はさらに濃厚に。(その為にGrilliと再契約したのだが)
順調ならGrilliが来シーズンのクローザーを任されるだろう。

Burgh to Minneapolis

Kevin Correiaが2年/$10MでMinnesota行き。

これでTwinsはTim Wood、Jeff Clement、Eric Fryer、Correiaと昨シーズンPirates傘下でプレーした4人とサインしている。
更にRyan Doumitも所属しているのだから面白い。

2010年オフに2年/$8MでPiratesとサインしたCorreia。
Year Age Tm W L ERA G GS IP H ER HR BB SO WHIP H/9 HR/9 BB/9 SO/9 SO/BB
2011 30 PIT 12 11 4.79 27 26 154.0 175 82 24 39 77 1.390 10.2 1.4 2.3 4.5 1.97
2012 31 PIT 12 11 4.21 32 28 171.0 176 80 20 46 89 1.298 9.3 1.1 2.4 4.7 1.93
10 Yrs 60 65 4.54 290 159 1066.0 1123 538 131 381 712 1.411 9.5 1.1 3.2 6.0 1.87
PIT (2 yrs) 24 22 4.49 59 54 325.0 351 162 44 85 166 1.342 9.7 1.2 2.4 4.6 1.95
89-90MPHのファストボールにカッター/スライダーを混ぜる投球スタイル。
特別良い球もなく空振りもとれないし、コマンドが良いわけでもなく、2周り目以降につかまるのが目立った。

2011年は彼を開幕投手に指名せざるを得ないほどの投手事情。
4.01ERAながら11-7で前半を終え。Cole Hamelsの代替選手としてオールスターに選出された。

2012年はWandy Rodriguezの加入でローテを外れたため、トレードを要求。
Pirates側も彼の放出に向け動いたが、20チームから”No”と言われていたらしい。
結局、Erik Bedardのリリース、Jeff Karstensのケガもありローテーションに戻る形になった。



先発が足りない中、良くも悪くも2年間働いてくれたCorreia。

OriolesやRockiesの名も挙がっていたが、キャリア初のアメリカンリーグへの移籍となる。

一時は福岡ソフトバンクホークスが狙っているという話も出ており、あれだけ大きく新聞に載ったのには笑わせてもらった。

2012/12/10

Small Market Blockbuster



2012年のペイロールはRays約$64M、Royals約$61Mとスモールマーケット同士の大型トレードが成立。

来年再来年で勝負に出るんだろうが、さすがにRoyals側が出しすぎな感はある。
一方のRaysはJames Shieldsの売り時を見逃さず、トッププロスペクト達を獲得し今後に備える形をとった。
こういったやりくりの上手さがRaysの強さに繋がっているのだろう。

同じくペイロールが低いPirates。(約$63M)
Joel Hanrahanのトレードは昨年から囁かれていたが、放出できないままオフを迎えてしまった。
今オフの彼のトレードバリューは落ちており、売り時を逃したのは間違いない。
交換相手としてChris Capuanoの名前が挙がっているが、昨年ならさらに良い選手を獲得できていたはずだ。
そして今が売り時なのはGarrett Jones。
既に2人とも噂が出ているが、「本当にトレードするのか・誰を取ってくるのか」は今オフのハイライトになるだろう。


FAで言えば昨年Clint Barmesに2年/$10.5M、今年はRussell Martinに2年/$17M、とディフェンス面に金をかけすぎている。
大きな打力アップに繋がらないのならRaysのJose Molinaの”ような”安価の守備型捕手を獲得し、
Michael McKenryとの併用で良かったのではないか、というのがファンに多い意見。
*(Martinが悪いというわけではない)


今年の夏にはJustin Upton、Shane Victorino、Hunter Penceなどの大物の名前が候補に挙がっていたが、来年以降を見据える形をとった。
来年、再来年にはGerrit ColeとJameson Taillonが上がってくるはずだし、順調なら強力なローテができるはず。
タレントが揃ってくるPiratesにとって、Raysは今回の件に限らず手本にしなければいけない存在である。

2012/12/07

WM Day4: Cliffhanger

ウインターミーティング最終日。
今日もJason Grilliは決まらなかったが、ファンや現場までも情報に惑わされた一日だった。

Peter GammonsのtweetでRule 5が始まる時間までにGrilliが決断をするとの情報が一番に入ってきた。
昨日は10チームが興味を持っていると伝えられたが、絞られたのは3チーム。
36歳という年齢だけにどのチームも2年を提示し、3年出さない限りPiratesに残るだろうというのがRosenthalの見解。

待ちに待った合意の報道がTom Singerから出てきたが、すぐさまGrilli本人が否定。
しかし、直後Jon HeymanもGrilli決定のtweetをしたことにより完全に決まったものと思われた。
結局、本人否定を知らなかったHeymanからお詫びが入るという慌ただしい流れになり、どれだけ待ってもこの日は決まらず。

Chigaco Sun-TimesによるとCubbiesはGrilli獲得に楽観的ではないと伝えている。
さすがにPittsburghに戻ってくるとは思うんだが・・・。

メジャーレベルのRule 5は誰も指名せず。
Triple-AラウンドではRoyalsからEthan Hollingsworthという投手をピック。Pirates傘下からはElevys GonzalezがDodgersに指名された。

驚きはKyle Kaminskaが先日のZach Stewartの交換要員としてトレードされた事。
Rule5漏れして一安心だったが、こんな形で出ていくとは思わなかった。
これでGorkys Hernandezとのトレードで残ったのはGaby Sanchezひとり。

ウインターミーティングでは大きな動きは無し。
Joel Hanrahanのトレードはすぐ決まるものかと思っていたが、さすがにGrilli待ち。

2012/12/06

Boras on Appel and Pirates

今年Piratesから1順目指名されるも$3.8Mのオファーを蹴ってStanfordに残ったMark Appel。
代理人のScott Borasが会見でAppelの件に言及した。

PiratesがAppelとサインするチャンスはほとんどなかったとし、

「(ドラフト前に)連絡が無かった。前もって忠告(Appelの意思)を伝え、指名権を他の道に使ってもらえればよかった。
間違いなくAppelがフィットしないと伝えていただろう。才能がある選手には選択権がある。あれは私達全員にとって不運な出来事だった。」と答えた。

2011年、Josh Bellが事前に全球団に指名回避の通知を送っていたにも関わらずPiratesは強行指名。
結局$5Mで契約するに至ったが、今年のドラフトではPirates側に出せる金額は限られていたし、新CBAの下ではAppel側にも大金は望めなかった。

実際6月に金額面で煽ってきてたので、結局は進学やチーム事情より金だったと思うんだが・・・。


更にマイナーリーガーの海軍式トレーニングは直接Appelの契約には影響は無いと語ったBoras。
ただ、自身はPiratesのこの方針に懸念を抱いており、

「親や選手の立場ならその組織がどうなっているのか、選手の価値を守ったり高めるために何をやってきたまで調べるだろう。
効果が実証されておらず、一般的でない練習をする時はより心配すると思う。
全チームを公平に評価すべきだと思うだろうが、良い面と悪い面はしっかりと見られるべきだ。」
とコメントしている。

先月オーナーのBob Nuttingは海軍式トレーニングを止めさせることを示唆している。

WM Day3:Grilli Watch

現地朝にJason GrilliがNashvilleに到着。

今日中に契約がまとまるものだと思われていたが、”Close to Deal”止まり。
今のところ10チームが興味を示しているらしく、同地区のBrewersの線はなくなったという話も出ている。

Piratesは既にオファーを出しており、あとは本人の決断待ち。
ただ、Sean Burnettが2年/$8MでAngelsと契約したという話が出ており、複数年+年俸$3-4Mになると見られているGrilliに影響が出てくる可能性も高い。


そしてGrilli待ちの中、Ramon CabreraをトレードしてDetroitのAndrew Oliverを獲得というニュース。

2009年ドラフト2順目で指名されたOliverは95MPHのファストボールを持つが、変化球とコントロールに課題がある左腕。
2010年にデビューしたものの完全に伸び悩んでいる。Justin Wilsonと似たタイプではあるが、それにしてもBB/9が6.7とは怪しい数字。
Huntigton曰く、キャンプではまず先発争い、ダメならブルペンで試すという扱いにするらしい。

あのAlex Cabreraを父に持つRamon Cabreraは先日Rule 5対策で40-manに入ったばかりの捕手。
Double-Aで.276/.342./.367と打てる面を見せているし、肩は平均的だが守備もまずまず。
キャッチャー不足の傘下では良い存在なのだが、将来は控えレベルという見方が強い。
Michael McKenryやTony Sanchezの存在を考えると放出は仕方ない。

ローリスクでオプションも残っているOliverを加えられたので良いトレードだと思う。

2012/12/05

WM Day2: #Hurdled

Clint HurdleがMLBネットワークに出演したウインターミーティング2日目。

その中で自身が選手の獲得に関わっていることについて言及。
Hurdleの意見は常に最重要なものではないが、”重視”されているらしい。
昨年のClint Barmesもそうだが、Colorado時代のコネも当てにならんのは目に見えている。

さらにRussell Martinを2番に据える構想までも発表した。
チームOBP.304がメジャー全体27位の打線においてAndrew McCutchenの前を打つ2人は重要。
Martinはキャリア通算で見るとOBP.352だが、昨年は.311。
OBPだけで判断するのもどうかと思うが、実は打線のほどんどがMartinより高い数字を残している。


OBP
Neil Walker
.342
Travis Snider
.324
Michael McKenry
.320
Pedro Alvarez
.317
Garrett Jones
.317
Jose Tabata
.315

意外な一発はあるが、AVGも期待できそうにないMartinよりはWalkerやSniderが2番を打ったほうが効果的なはず。
しかし、昨シーズンかなり疑問に思える采配や選手起用が多かっただけに、アイデアだけで終わらせてこないだろう。

Manny Parraの話もあったが、今日はGarrett Jones/Taijuan Walkerのトレード話がハイライト。
Huntingtonは否定したらしいが、Nick Franklinクラスでも無理な話なのに傘下トッププロスペクトのWalkerを求めるのは笑うに笑えないが・・・。


「オフシーズンの勝ち組になる気は無い。」と大型補強よりも勝てるチーム作りをすることを強調したHuntington。
Tampa Bayに持ってかれたが、Yunel Escobarあたりは普通に狙えたんじゃないか?とは思う。

いずれにせよ、このまま何もできないようだとシーズンも負けることになりかねない。

 

2012/12/04

We Give Them the Games

恒例のPNCパークでの土曜ホームゲーム後のコンサート。

Kool & the GangとNeon Treesは既に発表されていたが、新たにThird Eye BlindとBlues Travelerのライブが発表。

6/1   Kool & the Gang
6/15 Blues Traveler
8/31 Third Eye Blind
9/21 Neon Trees

今年のBoys ll MenやLifehouseも良いんだが、90s絶頂のバンドとはなかなか渋いところを選んできた。



WM Day1: Hammer's Value is Falling

ウインターミーティング初日はMike Napoliが3年/$39MでBostonに行くニュースで開幕。
SaltyかLavarnwayをトレードで狙える状況なんだが、確実に釣れる保証は無く、
早めにRussell Martinを囲えたのは”ある意味”正解なんだろう。(それこそJasoで良かったんだが)

今後大きな動きがあるか、と聞かれHuntingtonは
「このオフしようとした最大の補強はキャッチャー。そこに資金を使えたのは良いことだと感じている。」
とファンの期待に沿えないコメントを残している。

昨日M'sとの話も出たJoel HanrahanとGarrett Jones絡みでも色々話が出てきた。
Hanrahanに関しては少なくともALの2チームが健康面を懸念して興味を示さなかったらしい。
ケガはないんだが、確かに9月のパフォーマンスは怪しいものがあったし、来年FAという点も考えものだろう。
Huntingtonも「Hanrahanのトレードバリューは夏場がピークだった」と認めている。
ドラフトピックもあるしチームに残すことも考えられるが、$7Mはネック。
需要はあるのは間違いないが、見返りはあまり期待できないのかもしれない。

一方のGarrett Jones。
O'sが興味を示しておりJake Arrietta、Zach Britton、Pedro Stropのうち1人が見返り
と言われていたが、これも無くなったと伝えられている。


先発候補にはJohn Lannan、Tom Gorzelanny、Manny Parra、Jair Jurrjens、Mike Pelfrey
あたりを考えているらしい。
まだJeff Karstensの線もあるが、PNCパークにフィットするのは左投手。


あとはHuntingtonのインタビューから抜粋。
・Kyle McPhersonが肩の疲労でドミニカウインターリーグから離脱。
・今のところ1塁はGarrett JonesとGaby Sanchezのプラトーン。
・外野両コーナーはStarling MarteとTravis Sniderでいき、Alex PresleyとJose Tabataで4番目を競わせる方針。
・Gerrit Coleのローテ入りは急がせない。
・今回もWBCイタリア代表に選出されたJason Grilliとの再契約の話は続けている。

2012/12/03

Winter Meeting Preview

Garrett Jones, Joel Hanrahan/Hector Noesi, John Jaso, Justin Smoakのトレード話がSeattle Timesで報じられている。

恐らくRussell MartinとサインするまでにSeattle側から仕掛けてきた話だったのだろう。
Piratesとしてはこれ以上捕手を必要としないし、Vin MazarroとZach Stewartを獲ったばかりなのでNoesiが加わる必要もない。
JonesとHanrahanを放出すれば$11Mの空きができるしSmoakも魅力なんだが、このメンツでのトレードは実現しないだろう。

ここ一番での一発があるJonesはHR/FBが2010-11年の11%台と比べ17.1%まで上昇。
AVGこそ.274を記録したが、BBは33。特にAVGとHRは来年も同じだけの数字を残すとは考えにくく、今の時点でのトレードは良い選択肢である。


補強ポイントは先発1枚と控え野手のデプス。
あとはJonesとHanrahanが放出されれば彼らに代わる選手が必要になってくる。特にHanrahanはほぼ確実にいなくなるし、Jason Grilliを新クローザーとして再契約できるかも重要。
最悪ファーストはGaby SanchezとClint Robinsonのプラトーンでいくんだろう。Eric Chavezなんか面白いと思うんだが。

2012/12/01

Bucs non-tender Jeff Karstens

Jeff Karstensが正式にnon-tender。Russell Martinの加入で一度DFAされてからの形となった。
調停権を持つKarstensの年俸は$3.8Mあたりになると見られており、ケガの多い彼とPiratesが契約更新するとは考えにくかった。
Huntington曰く代理人と契約見直しやトレードも話し合ったが、うまくいかなかったらしい、

A.J. Burnett、Wandy Rodriguezに次ぐ実力を持っていると言ってもよいKarstens。
特にここ2年間のピッチングは地味ながら非常に安心して見れるものがあった。
昨シーズン前半は肩の炎症、後半戦は股関節の痛みで90.2IPしか投げられなかったが、ERA3.97、BB/9は1.5と良い数字を残している。

「180-200イニング投げられるのか。これが自分たちが出した答え。」
とGMのNeal Huntingtonが出したコメント通り懸念は健康面。


一方、6月にTommy John手術を受けたCharlie Mortonは1year/$2Mで契約し調停回避。
リハビリは順調なようでマウンドに上がれば期待できるのだが、夏前まで復帰はできない。

Mortonに関してはこれでいいが、春~夏の復帰が絶望なMortonに$2M払えるのならKarstensに$3.8M出しても良かったんじゃないだろうか。
確かにケガのリスクはあるが、昨年ケガの多いErik Bedardと$4.5Mで契約したことを考えると悪くないはず。
ただし、安価で再契約というベストなシナリオも充分考えられるだろう。

確かにKyle McPhersonとJeff Lockeとローテ下位で期待できる若手は揃っているし、順調ならGerrit Coleはオールスターまでに上がってくる。
James McDonaldも信用ならないぶん、(健康なら)計算できるKarstensの穴は大きい。


さらにJoel Hanrahanのトレード相手としてDodgersのChris Capuanoの名前が挙がっている。
Jordan Walden/Tommy Hansonのトレードがあったが、Waldenと違い来年FAになるHanrahanのバリューは高くない。
Capuano自体は悪くないが、Hanrahanのトレード相手としてはもったいない気がする。